setoさんのMIST

BIRTH

朝露を纏いて　陽はまたのぼる命の　それと同じように繰り返す

はじけて　きえて　水のあわ。だから　美しいのかも

あぁ川の流れのように　穏やかにこの身を　まかせていたい

皐月　雨上がりに出逢った桜はかなさの　最果て

もやがかり　暮れゆくそして　蒼く　碧く　染めゆく

なにを求めて　此処まで来たかいやいや　魅了されただけ

あさもや　朱く　やいてあなたの元へ　もう一度

先のことなど　見えやしないここでいい　此処が良い

欲を　食べて　生きるなら霞を　食べて　暮らそうか

涼をもとめ　彷徨う　夏ひかり　と　水　と　風の音

悠々と　暮れなずみ白靄が　稜線を　ふちどる

何処から　迷い込んだか白昼夢　ゆめのまた　夢

深く　たち込める　濃霧静けさだけが　耳を打つ

瞬間　刹那そう　いまを　生きる

連なり　繋がりいのちも　また　そう